たとえば、いきなり、「イタリア語を勉強するゾ!」と思い立っても、なかなかどこから手をつければいいかわからないかもしれません。事実、私の場合はそうで、手当たり次第参考書を買いあさりました。
で、結局できるようになったかというと、あまりできるようにはならなかった、というのが正直なところです。というのも、文法ばかり頭に詰め込んで、実際にそれを使用するというステップを踏まなかったので、全然伸びなかったという話です。やはり、ある程度文法を把握した後は、それをどのような形でも実践と結びつけてみたいものです。
以前、初学者向けのオススメのイタリア語参考書を紹介しました。
そこで、今回は中級者向けの参考書を紹介してみたいと思います。
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参考書関連
個人的には、イタリア語関連の参考書は明確に二分されていると思っています。
一つは初心者向け、そしてもう一つが上級者向け。あまり中級者向けというのはないという印象です。特に初心者向けが多すぎて、どれを読んでいいか悩むかもしれません。
本屋に行けばわかりますが、イタリア語の扱いはかなり大きくて、ますますどれを読んでいいのか悩むだけです。
そして、初心者向けでなければ基本あとはかなり上級向け(よくても中上級以上向け)だと思っております。
というのも、おそらくイタリア語の需要が、中級レベルではあまりないということなんだと思います。というわけで中級向けというのはあまりないので、タイトルは「中〜上級向け」ということにしました。
現代イタリア語文法 坂本鉄男著
まず、文法書で紹介できるのが、『現代イタリア語文法』です。これは、英語のロイヤル英文法のようなもので、これを使って勉強するというものではなく、イタリア語文法でわからない時にこれに当たる、という使い方をします。
かなり詳細な記述がされているので、初心者には何がなんだかわからないと思います。一通り文法を勉強した人が使うものです。
問題点は、若干内容が古いということですかね。私が使っているのは現在発売されているものの一つ前のものですが、一部は、日本語もイタリア語も少し古めかしさを感じさせます。そういったことを差し置いても、これだけのボリュームの、日本語で書かれたイタリア語文法書はこれだけだと思いますし、ボリュームの割に安いので、必携書の一つだと思います。
イタリア語分類単語集 小林勝著
誰でも、ある程度の単語集を終えてしまうと、次はどうしよう、となると思います。基本的には自分で興味のある分野をイタリア語で読んでいって、それを覚えていく形になると思います。
でも、こういうやり方をすると、やはり自分の興味がないところは全然手つかずということになります。
そこでオススメできるのが、『イタリア語分類単語集』です。おそらく唯一の中級〜上級者向けの単語集だと思います。6500語が分野別に分かれており、単語をただ覚えるためだけでなく、翻訳や通訳の仕事をする前の準備としても使えます。
ただ、若干内容が古く、日本語の訳が古めかしい点や、もう今は時代的に存在しない語なども掲載されており、新しい版が出てくれたらもっと使いやすいのになとは思います。
あと例文が一切載っていないので(専門用語が多いので載せようがないと言った方が正しいかもしれません)、本当に単語をひたすら覚えるためだけの本だと思います。これを全てマスターできたら、ほぼどんな場面でも問題ないと言っていいでしょう。
Piazza 東京大学イタリア語教材編集委員会
イタリア語をある程度学んだら、やはり何か読み物を読んでみたいものです。そこでオススメできるのが『Piazza』です。これはイタリア文化関連の幅広い分野の深めの面白い題材をイタリア語で読み解くことができるものになっています。ですので、イタリアのリアルな文化に触れてみたいという方にはとてもオススメです。CDもついていて読解教材を読みあげてくれるユニークな教材だと思います。
ただ、解説が少ない(もしかしたら教科書的な位置づけなのかも)、読解教材が興味深いが結構難しい、ということもあってかなり上級者向けではないかと思います。でもこれを読み解けば、確実に実力アップにつながると思います。
いかがでしょうか。イタリア語には中級者向けの参考書が少ないというのがかなりネックなのですが、それでも中〜上級という教材はいくつかあるので、紹介してみました。