むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おばあさんは川へせんたくに、おじいさんは友達とバーへ行きました。
おばあさんが川でせんたくをしていると、どんブラーノ、こんムラーノ*1とそれはそれはたいそう大きなピッツァが流れてきました。
「おや、これはいい食後のデザートになるわ」
おばあさんは大きなピッツァをひろいあげて、うちへ持ち帰りました。
バーから帰ったおじいさんは大きなファミリーサイズのピッツァを見て、
「オーミオディーオ、こんなに大きなピッツァは見たことがないぞ」
と言い、さっそく切り分けようとしました。
するとどうでしょう、なんと中から元気のいい男の赤ちゃんが飛び出してきました。
こどものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
ピッツァからうまれたそのトマトとチーズまみれの男の子を、おじいさんとおばあさんは、「ピザ太郎」と名付けました。
ピザ太郎はすくすく育って、やがて立派なおデブになりました。
そしてある日、ピザ太郎が言いました。
「ぼく、ジュデッカに行ってヒルトンホテル見てくるよ*2*3」
おばあさんにサルシッチャ(イタリアンソーセージ)を作ってもらうと、ジュデッカへ出かけました。
旅の途中で、ハト*4に出会いました。
「ピザ太郎さん、どこへ行くのですか」
「ジュデッカのヒルトンホテルへ行くんだ」
「それではお腰につけたサルシッチャを一つくださいな。おともしますよ」
ハトはサルシッチャをもらいおもむろに食べ出そうとしました。
するとピザ太郎はいいました。
「おいおい、サルシッチャは薄い皮をむいて食べなきゃダメだぞ」
こうしてハトはピザ太郎のおともになりました。
そしてこんどはライオン*5に出会いました。
「ピザ太郎さん、どこへ行くのですか」
「ジュデッカのヒルトンホテルへ行くんだ」
「それではお腰につけたサルシッチャを一つくださいな。おともしますよ」
「おいおい、サルシッチャは薄い皮をむいてt...
そしてこんどはカモメ*6に出会いました。
「ピザ太郎さん、どこへ行くのですか」
「ジュデッカのヒルトンホテルへ行くんだ」
「それではお腰につけたサルシッチャを一つくださいな。おともしますよ」
「おいおい、サルシッチャは薄いk...
こうして、ハト、ライオン、カモメの仲間を手に入れたピザ太郎は、ついにジュデッカへやってきました。
ヒルトンホテルは、弱者から奪いとった宝ものやごちそうをならべた贅の限りを尽くした最高級のホテルです*7。
ホテルではにっくきお金持ちたちが、弱者から奪いとったお金をならべて酒盛りの真っ最中です。
「みんな、ぬかるなよ。それ、アンディアーモ(行こう)!」
ハトは高級食材のおこぼれをついばみ、ライオンは最高級ソファーにこしかけ、カモメはくちばしで高級魚類のおこぼれをついばみました。
そしてピザ太郎も、ビュッフェで大暴れです。
とうとうヒルトンホテルの支配人に一行はつまみ出されました。
こうしてピザ太郎一行は遠足を終えて無事帰宅したのでした。
そして今日も、ピザ太郎はピッツェリーアであるアエオケ*8に向かったのでした。
「すみません、マルゲリータ一つください!!!」
だめだ、この記事*9。