いつだったか、もう定かではないのですが、ボケーッとテレビを見ていた時に、確か「嵐にしやがれ」だったような気がするのですが、嵐の二宮くんがクイズに挑戦してたんですね。
二宮くんは、身長こそそこまで高くないものの、整った顔立ちで、歌って踊れて、アラサーとは思えない若々しさで、演技派で、ででで... とにかく「かっこいい」のひとことにつきます。
そんな二宮くんがクイズに挑戦、ということで、ここだけは負けじと血眼になって私もクイズに挑んでいたんですよ。一人で。そしたら、なんということでしょう、イタリア語に関する出題があったんですね。それが、
イタリア語で「おまえ、パセリみたいだな」とはどのような意味か。
だったんですね。私、こんな表現は初めて聞いたもので、面を食らったのですが、イタリア語をやってきたものとしては、これには絶対に勝ちたい、と思ったわけです。ということで、私はない頭とわずかながらのイタリア語の知識を総動員してウンウンと悩んでいたんです*1。
するとどうでしょう。何事もなかったのかのように、そして、あたかも知っていたかのように、二宮くんがあっさりと答えにたどり着いてしまったのです。
でしゃばる...いや、「どこにでもいる」だ!
その時の二宮くんはいつもの10倍輝いていました(主観的事実)。そして、その時の私の顔泥を塗ったかのように生気を失っていました(客観的事実)。
そう、「おまえ、パセリみたいだな」、すなわち、tu sei come il prezzemolo (トゥ セイ コメ プレッツェーモロ)は、パセリがどこにでもなんにでも使われることから「どこにでもいるな」という意味らしいのです。なんというパワーフレーズ。
10年近くイタリア語を勉強してきて(主観的事実)、こんなにもイタリア語を頑張ってきて(主観的願望)、こんなにもイタリア語が上達した私なのに(客観的非事実)、歌って踊れるアイドルに遅れをとるとは、一生、そして一笑の恥。
だって、だって! そんないいかたずるいもん! だめだめ! パセリとか知らんもん! そんなパワーフレーズ知らんもん! 知ってる方がだめだもん!
あまりにも悔しいので、私が「おまえ、パセリみたいだな」に代わる表現を作り出すことにしたい。私が新たなパワーフレーズの第一人者として生きていくのだ。
そこで、私は、パセリの代わりに「パクチー」を使うことを提案する。
「おまえ、パクチーみたいだな」
そう、これが最高のパワーフレーズ。パセリなんかよりよっぽどいい。その良さを箇条書きで挙げておく。
・パセリなんかよりよっぽど出現率が高い。
→「どこにでもいるな」につながる重要な要素。
・パセリよりずけずけと主張してくる。
→「どこにでもいる」ことが分かるためには主張力が大事。
・クセがあるのにやめられない人が続出。
→「どこにでもいる」ことに気づかれ、それを指摘までされる人気者。
・パクチーチューブもある。
→値段が高い。
どうだ。
どう考えても、「おまえどこにでもいるな」に最適な表現は、「おまえ、パクチーみたいだな」だ。
読者の皆様は、今、間違いなく心を打たれているに違いない。
まいった...どうやら私は、あらたなパワーフレーズを開発してしまったみたいだ。開眼したようだ。そして、私の開眼は皆様をとりこにしているようだ。
これからは、私のことを
パクチーの教祖
と呼んでいただきたい。
さて、私は何の話をしていたのだろうか。
ああ、そうだ、歌って踊れるアイドルの話だった。
そうだった。
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*1:イラストはHさんからのもらいもの