以前、イタリア人は浴びるようにお酒を飲む、むしろお酒を浴びながら飲むという話をしました。
そんな彼らですが、お酒と同等、むしろお酒以上に好きな飲み物があります。それがコーヒーです。

コーヒーへのこだわりはものすごく強く、某大手コーヒーチェーンがミラノに初出店する際は、国民の間で論争が巻き起こったほどです。
こだわりの強さは、飲み方にも表れています。イタリアにおけるコーヒーはまさに千差万別で、各々が自分のスタイルをもってコーヒーを嗜んでいます。
今回は、イタリアンコーヒースタイルを幾つか紹介したいと思います。*1

- 1.Caffè(カッフェ)
- 2.Caffè lungo(カッフェ ルンゴ)
- 3.Caffè macchiato(カッフェ マッキャート)
- 4.Caffè schiumato(カッフェ スキュマート)
- 5.Cappuccino(カップッチーノ)
- 6.Caffè con panna(カッフェ コン パンナ)
- 7.Caffè d’orzo(カッフェ ドルツォ)
- 8.Caffè corretto(カッフェ コッレット)
1.Caffè(カッフェ)
イタリアではCaffè(コーヒー)を注文するとエスプレッソが出てきます。イタリアにおいてはエスプレッソが正義です。エスプレッソにこれでもか、といった具合に大量の砂糖を入れて飲みます。むしろ、砂糖にコーヒーを入れて飲みます。ちなみにCaffè doppio(カッフェ ドッピオ)と注文すると、通常の約二倍の量で出てきます。その場合は砂糖も二倍入れます。いや、間違えました。二倍の砂糖にコーヒーを入れます。
2.Caffè lungo(カッフェ ルンゴ)
通常よりも多めの水で抽出した薄めのエスプレッソ。直訳すると「長いコーヒー」。一方で、Caffè Americano(アメリカ風コーヒー)はお湯を注いで薄めたエスプレッソです。イタリアでアメリカ風コーヒーを飲もうと思ってもほとんど手に入りません。イタリア人はアメリカンコーヒーをコーヒーとして認めておりません。アメリカンコーヒーを飲む人ですらこう言います。
「ん?アメリカンコーヒー?まあ、飲めなくはないよ」
3.Caffè macchiato(カッフェ マッキャート)
少量のミルクを垂らした エスプレッソ。これも比較的みんな飲んでる気がします。そしてこれも砂糖を大量に入れて飲みます。したがいまして、コーヒーを飲む=砂糖を飲む、です。
4.Caffè schiumato(カッフェ スキュマート)
Caffè macchiatoのように少量のミルクを垂らした エスプレッソですが、こちらのミルクはエスプレッソマシンで泡立ててあります。場合によっては砂糖も泡立てます。

5.Cappuccino(カップッチーノ)
温めたミルクを泡立て、上に注いだエスプレッソ。チョコレートパウダーを上にかけたCappuccino con cacao(カップッチーノ コン カカオ)もあります。ちなみにイタリア人にとって、Cappuccinoは朝食代わりに飲むものらしいです。筆者は夕方に注文して友人たちに笑われた苦い思い出があります。それでも頑なに朝、昼、夕、晩、就寝前、就寝中に飲み続けたらついに認めてくれました。そこまで頑なに飲み続けられたのも、ある人が言ってくれた名言が支えになったからです。
「別にいいじゃんね、何をいつ飲もうか個人の自由じゃんね」
私です。
6.Caffè con panna(カッフェ コン パンナ)
たっぷりの生クリームをトッピングしたエスプレッソ。これに大量の追い砂糖をして飲むイタリア人を見たときはゾッとしました。それ、もうコーヒー味の生クリームじゃね?
7.Caffè d’orzo(カッフェ ドルツォ)
焙煎した大麦を抽出したエスプレッソ。健康志向の人が飲んでたイメージがあります。ノンカフェインなので妊婦さんも安心して飲めます。麦茶にもなります。
8.Caffè corretto(カッフェ コッレット)
少量のお酒を加えたエスプレッソ。correttoは「正しい」という意味を持つので、即ちイタリア人にとっての"正しい"コーヒーとは、コーヒー×酒になります。ある友人は大量のGrappa(グラッパ)*2に少量のエスプレッソを加えたものを「Caffè corretto」と呼んで朝から飲んでいました。
私です。

以上、イタリアのコーヒー事情でした。いかがでしたでしょうか。皆さんの良きコーヒーライフを祈っております。
