SNS上の誹謗中傷により若い女性が命を断つという痛ましい事態が起きてしまいましたね。このニュースは、テラスハウスの出演者だったことや未来あるレスラーであったこと、インターネット上のいじめによるもの(vittima di Cyberbullismo; ヴィッティマ ディ サイベルブッリズモ)であったこともあって、イタリアでも大きく取り上げられていました。心よりご冥福をお祈りいたします。
さて、私は有名人ではないですし、このブログは訪問者も多くないので誹謗中傷を受けることはほとんどないのですが、それでもいくつか心ない中傷コメント(と思われるもの)を受け取ることもあります。今までは気にもとめていなかったのですが、ブログをやっているものの端くれとして、世の中に向けた注意喚起的な記事を書いてもいいかと思い筆をとりました*1。
そこで今までいただいた中傷コメントを引用しまして、それにお返事を差し上げたいと思います。とはいっても中傷コメントは相手を傷つけることだけを目的にしておりますので、そのコメントに正論で返すというのは大変稚拙で大人げない行為だと思います。ですので、ど正論で返すことにいたします*2。
ひどい間違いがたくさんあります
これは中傷というよりは、呆れコメントですかね。ま、いいでしょう、とりあえず取り上げておきます。
私、間違えることがたくさんあります。その点に関しては認めます。記憶違いがあったり、ネイティブチェックを怠ったりするので。しかし、ひどい間違いがありますよ、というだけではなく具体的に間違いを指摘してくださったらよいかと思います。まあそれでも、なぜ本質ではないカタカナ読みのほうに噛みついたのかがよくわからないのですが。
あと、おまけについているイタリア語では、「どうしてこんなふうに記事をアップできるのか理解できません」ということが言いたいのですよね。でしたら、
Non so come facciate a pubblicare articoli in questo modo!
になります。文頭は大文字、sapereのあとのcome節では接続法を使い、articoloは複数形にし、最後にエクスクラメーションマークをつけます。イタリア語では句読法も大事です。
こんな細かいこと、そんなに気にする必要はもちろんないのですが、ご本人が(イタリア語が)間違いだらけです、と自信満々におっしゃるのでつい、ね。
つまんない奴。友達いないだろ?
友達が少ないとは思っていませんが、あなたのような方を存じ上げなくて本当によかったと思っています。「記事がつまらない」という感想は甘んじて受け入れますが、見ず知らずの相手に向かって急に暴言を吐くという行為は愚かだと思います。
うざい
すみません!
しょーもな
これは私も同意します!
さむい
これにも同意!
くーだらね
さて、いってもこれくらいでしたね。もっとあるような気もしていましたが。
ちなみに後半は全部『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画について書いた記事でした。私はジョジョ、大好きなんですけどね。ちょっとそれが伝わらない人には伝わらない、ということはよく理解できました。ジョジョの記事に心ないコメントを残した方は、ジョジョ愛の強さゆえに攻撃的になってしまったのだということにします。というか全体的にこのブログがジョジョ関連の記事しか読まれていないから、圧倒的な読者の母数が違うということとでしかないような気もしますが。
上記で引用したものは、誹謗中傷というには程遠いコメントたちだとは思うのですが、百歩譲っても、言い方のトゲをもう少し落としてほしいというのは確かだと思いますね。こういう方々は、記事の背後には書いている中の人がいるということをしらないのでしょうか。AIが文を自動生成しているとでも思っているのでしょうか。不思議でなりません。
こうしたネット上の誹謗中傷には明確な法整備がないためになかなか取り締まることができないと言われます。イタリアでも同じような状況がまかり通っているみたいです。だから今回のこの件はイタリアでも大きく取り上げられているのだと思います。日本だけの問題ではないということですね。
哲学者トマス・ホッブズはこんなことを言っています。
Homo homini lupus.
これはラテン語で、イタリア語では L'uomo è un lupo per l'(altro) uomo. 、日本語では「人間は人間にとって狼である」です。
いつの時代も人は変わらないのですね。
SNSも多様になり、ネット配信などが増え、対人コミュニケーションの範囲がますます拡張している今だからこそ、一人ひとりがもう一度身の振り方を考えるべきだと思います。心無いコメントをする人は反応してもらうことで喜ぶから無視したほうがいいなどとよく言われますが、皆が無視を決め込んでも世の中は変わらないと私は思います。心無い罵詈雑言を浴びせることはいわずもがないけませんが、無視を決め込むのも決して良いことではなく、「それはやってはだめだよ」と、まだネットリテラシーのない人たちに正しい道を照らしてあげる必要もきっとあるでしょう。
今回の出来事をきっかけに徐々に世界が良い方向へと進んでいくことを願ってやみません。今回の記事はそういう期待もこめて、微力ながら発信いたしました。