イタリア語にも当然スラング(parolaccia:パロラッチャ)があります。当然人を選びますが、パロラッチャを使うと、うまくいけばイタリア語の上級者みたいに見えます
パロラッチャは、日本語の「クソ!」とか「うざっ」とかそういうのにあたって、基本的には驚いたときやちょっと腹が立ったときに使います。要は、ひとりごと的に使ったり、相手を罵るときに使ったりするのが基本的な用法です。ここではとりあえず基本的にはインフォーマルな場面(インフォーマルな感覚)で使うものをパロラッチャと呼んでおきます
パロラッチャの中にも、柔らかめのものからキツめのものがあって、大学の教授が授業で使っても何ら問題ないものから、決して口に出してはいけないものまであります(なぜそんなものが存在しているのかはまた「上級編」に書きます)
そこで、私の経験と友人たちの意見をもとに、よく使うパロラッチャをそのレベルによって、初級・中級・上級の3段階に分けました。上級になればなるほど使える場面が限られていき、イタリア語上級者向けになります
それでは早速行きましょう。まずは「初級編」からです
(以下、ひとりごとで使えるものと、相手に使うものに大別してあります)
ひとりごと編
Cazzo(カッツォ)
意味:クソッ
例えば"Cazzo, ho sbagliato!(クソッ!間違えた!)"といったように使うのが基本ですが、他にも色々な場面で使用できる便利な言葉です
"Cazzo"の本来の意味は「ちんちん」ですが、頻出中の頻出です。要は、イタリア人は常に、「ちんちん、間違えた!」「ちんちん、遅刻だ!」「ちんちん、伸びない!」「ちんちん、たたない!」などと常に言っているわけです
「ちんちん」の真面目な記事を以前書いたのでそちらもご参照ください
Cavolo / Caspita(カーヴォロ / カスピタ)
意味:ああ、なんてこった
便利な「ちんちん」を使いたい、でも「ちんちん」とは言いたくない。そんなお上品な貴殿御婦人には、"cazzo"と音が似ている"cavolo"や"caspita"がおすすめです。カッツォより圧倒的に上品です。
他にも"cacchio(カッキオ)"という言葉も代替品として存在します。"cazzo"と言いそうになったときに"cacchio"に言い換えられるかがポイントです
Merda(メルダ)
意味:クソッ!
これもよく使います。日本語でも糞からの「クソッ」と言いますが、同じようにイタリア語でも「うんち」を意味する"Merda"を使います。
「うんち」と言いたくないお上品な方は、代わりに"Accidenti(アッチデンティ)"を使いましょう。
「うんち」については以前たくさん記事を書いたのでご覧ください。
Porca miseria(ポルカ ミゼーリア)
意味:ちくしょう!
"porco"が「ブタさん」の意味で、パロラッチャではよく使われます。ここでは「惨めなこと」を意味する"miseria"が女性名詞なので"porca"という女性形になっていて、この2つが合わさると、嫌な出来事が起こった際に口汚く罵る言葉に変身します。
"Porco(Porca) 〇〇"というブタさんシリーズはこの後も紹介しますので、ぜひ覚えて下さい。
Mannaggia(マンナッジャ)
意味:ああ、残念!
南イタリアではよく使われる表現ですが、北イタリアではほとんど使われません。
なのでこの言葉を使うと、「南イタリアで勉強した」と周りに思われます
Dannazione(ダンナッツィオーネ)
意味:ちくしょう!
本来の意味は「責め苦」で、地獄の苦しみなどを表現する言葉です
Che palle(ケ パッレ)
意味:うんざりだ
"che"が感嘆の代名詞(後ろに続く言葉を強調する役割)、"palle"(「ボール」の複数形)です
「ボールがなんども跳ね返っているのを見ているとそれは退屈だから、『うんざり』っていう意味なんだよ」
と言われたことがありますが、真実は知りません
やる気が出ないときや気が進まない場面で、ウンザリした顔と一緒に使いましょう
Che culo(ケ クーロ)
意味:ラッキー!
「ケツの穴」を意味する"culo"を強調すると「ラッキー」という意味になります。「なんてケツの穴だ!」は「ラッキー!」です
なぜ「強調されたケツの穴」が「ラッキー」に繋がるのかは不明です。そこには私程度の人間には想像もつかない深遠な理由があるのでしょう
ケツについても以前記事を書きました
ふたりごと編
Scemo(シェーモ)
意味:ばか
形容詞なので、男性に対して使用するときは"Scemo"、女性に対しては"Scema(シェーマ)"になります。
きつい言い方ではなく、「おバカちゃん」といった意味合いで使用されます。
同じ意味の言葉に"Sciocco(ショッコ)"があります
Vergognati(ヴェルゴーニャティ)
意味:恥を知りなさい
動詞の"vergognarsi(恥ずかしがる)"の命令形で、相手に対して諭すような意味合いを持つこともあります。強めに言えば、「恥を知れ!」という感じになるので、結構キツめです
Pazzo(パッツォ)
意味:頭がおかしい
同じく形容詞なので、女性に対して使用するときは"Pazza(パッツァ)"になります
同じ意味の言葉に"Fuori di testa(フオーリ ディ テスタ)"がありますが、こちらの方がやや強めな言い方です
Merda(メルダ)
意味:この、クソ野郎!
"Merda"をヒトに向けて言った場合、「クソ野郎」という意味になります。ヒト以外にも使用できます。
以上、パロラッチャ初級編でした
次は中級編をご紹介します