これからイタリアに留学する人が知っておかなければならないたった一つの事実、その2です
誰がなんと言おうと、イタリアに留学する人が知っておくべきたった一つの事実のその2です。パート2です。すなわちパートトゥーです
パートワンは以下の記事です
さて、唐突にすみませんが、皆さんにも「判断に迷うこと」ってありますよね
それは大きい出来事だけでなくてもいいのです。私達は日々、些細なことにも決定を下しているのです
例えば、あなたが今上司と歩いているとしましょう。上司の前を歩くのはなんとなく気がひけるので、あなたは一歩後ろをヒナのように歩いています
そこにドアが登場します。眼の前にはドアと上司。あなたは判断を下すことになります。上司の前を歩いてそのドアを開けるか、それとも上司の前に出ることは大変失礼なので、一歩後ろのポジションは崩さず上司にドアを開けさせるか
あなたはその判断を瞬時に求められるのです
こうした決断は、何も上下関係が存在するときだけの話ではありません。恋人と歩いているときもそうです。
あなたは今、恋人といます。あなたはレディーファーストで一歩後ろを歩いています。
そこにエスカレーターが現れます。下りです。あなたはそこで判断を迫られます。一歩後ろを維持したまま恋人を先にエスカレーターに乗せるか、はたまた恋人がなにかのきっかけでころんだときのために前にすっと出て先に乗るか
あなたはその判断を瞬時に求められるのです
私たちは、常に判断を迫られているのです。人生とは決断の連続です。そしてときに私たちは判断に苦しむことがあるのです
日本ですらそうなのですから、異国の地、イタリアではより判断に迷うことがあります。私は、これからイタリアに留学する人が、少しでも判断に迷うことがないようにしたいです
しかしそうは言ってもイタリアで求められる判断の全てをここに書き連ねることはできませんから、皆さんには、イタリアの判断について「知っておかなければならないたった一つの事実」としてお伝えすることにします
その事実というのは、
イタリアのトイレの表記に気をつけろ
これです
「これは果たして事実なのか?」、と今考えらている方、ご名答
私自身、「これは果たして事実なのか?」と自分に問うています。つまり、私は今錯乱状態で筆を走らせている状態です
というわけで錯乱状態で恐縮ですが、話に戻りましょう。イタリアのトイレにまつわる話です
かつて私が留学したときに、こんなことがありました
私は友達とバーで食事をしながらワイン(風味のジュース)を嗜んでいました。友達と過ごす時間は楽しく、われを忘れてワイン(風味のジュース)をガブリガブリと飲んでいました
そして突然やつが襲ってきたのです
「尿意」です
私は用をたすべく、スマートにたちあがりました
「ちょっとお花を摘みに行ってくるね」
「ちょっとお花を摘みに行ってくるね」は、イタリア語で、Vado a raccogliere i fiori per un po'(バード ア ラッコリエレ イ フィオーリ ペル ウン ポ)といいます。みなさんもぜひ使ってみてください
絶対に伝わりません
さて、「お花摘んでくるね」などと意味不明な言葉を残して颯爽とトイレに向かった私は無事用を足してトイレからでてきました
すると、一人の女の子がいいました
「あれ、今あなた女の子用のトイレから出てきたよ」
「いやいや、そんなはずは」
「いや、あなた女の子用のトイレにいたのよ、見てごらんなさい、ここ」
彼女はそう言ってトイレの扉を指さしました。そこにはsignore(シニョーレ)と書いてありました
「いや、signore(シニョーレ)は「男の人」っていう意味だから、男子トイレじゃん」
「いいえ、あなた、それはsignora(シニョーラ)「女の人」の複数形のsignore(シニョーレ)よ。こっちの扉を見てごらん」
そういった彼女が指す隣の扉を見ると、そこにはsinori(シニョーリ)と書いてありました。そう、sinore(シニョーレ)「男の人」の複数形です
私は、女性用のトイレで用を足してしまったのです。一人用だったから気づかなかったのか、一人用だったのが不幸中の幸いだったのか。とにかく私は友人の前で大恥をかいたのです
これが世に言うイタリア語の単複の罠です
私は、イタリア語の単数・複数形の落とし穴を、はからずもトイレというビッグイベントで学んだのでした
目の前にあるトイレが、男子トイレなのか女子トイレなのかの判断を、我々は望まずとも強いられているのです
ということで、今回の件で得られた教訓は、
イタリア語で「お花を摘みに行ってくる」といっても伝わらない
ということです
なにか質問やコメントがある人は挙手してくださいないですねそれでは授業を終わりますみなさんさようなら