会話をするに当たって、相手の言い分をよく聞いて相手に同調する、という作業は避けて通れません。
日本語では「わかるよ」とか「確かに」なんて言いますよね。ところでイタリア語では相手に同調したいとき、どんな表現を使えばいいでしょうか。
イタリア語でもうまく相手に同調したい、という方のために、「ノーマルタイプ」と「アブブノーマルタイプ」の二種類を用意いたしましたので、みなさんの特性に合わせてお使いください。
1.オーソドックスなノーマルタイプのあなたへ
相手に同調するといっても、どうやって同調したらいいのかわからない、状況に合わせて使い分けるなんて私にはできない。私は自他共に認める普通な人間だ、だから普通の言い方さえマスターできればいい、という方におすすめな表現です。
Hai ragione.
アイ ラジョーネ
君が正しい。
英語の"You're right"ですね。イタリア語では"avere(アヴェーレ) (持つ)"をつかって、「あなたが理屈を持っている」→「あなたが正しい」となります。短く簡潔に相手に同調できて便利です。困った時のアイラジョーネ。よくわからない時、相手がしつこい時の、「はいはい、アイラジョーネ、アイラジョーネ」です。相手もこれで大満足です。
さて、"ragione"を使った表現ですが、これの派生タイプがあります。たとえば以下のものなんかがそうです。
Hai più che ragione.
アイ ピュ ケ ラジョーネ
君が超正しい。
"più(ピュ)"というのは「それ以上」という意味ですから、「理屈を超えた彼方のsomthigをあなたは持ち合わせていますよ」→「あなたが超正しい」になります。"Hai ragione"では物足りない時に使うといいでしょう。これは、強調されている分話し手の気持ちがこもっていますから、「はいはい、あんたが正しいよ」という皮肉的な表現としては使えません*1。
こうやって相手に強く同調したいという時に、"ragione"を使わない言い方もできます。
puoi dirlo forte
プオイ ディルロ フォルテ
君は超正しい
"puoi(プオイ)"は「できる」、"dirlo(ディルロ)"は「それを言う」、"forte(フォルテ)"は「強く」という意味ですから、「君はそれを強く主張していいんだよ」→「君は超正しい」になります。ちょっとおしゃれに相手に同調したい時に使うと、「お、こいつは」と思われます。
2.アブノーマルなあなたへ
普通の言い方は飽きた、普通のやり方はものたりない、「私は自他共に認める変態さんである」という方におすすめな言い方も見てみましょう。
non è che hai ragione, di più!
ノネ ケ アイ ラジョーネ ディ ピュ
君が言っていることはもうそれはど正論だね
少しテクニカルな言い方になりますが、こちらの強い気持ちを伝えるにはぴったりです。もう説明するのがめんどくさいんで細かい説明は省きますが、要するに「君はもうそれは理屈なんてものを持ち合わせているわけではないんだよ、それ以上の何かなんだよ!」から「君の意見はど正論だ」になります。
ただし使い方には注意です。最初に「non è che hai ragione(君は正しいってわけじゃないんだよ)」と言ってから、「di più!(それ以上さ!)」となるので、この二つの文のテンションの差が大事です。
ですからまず、怪訝な顔で
ノーノーノー、ノ ネ ケ アイ ラジョーネ......
と発し、そこから満面の笑みで
ディ ピュ!!!!!!!!!!!
こうです。
そう、ディピュの思い切りが大事です。
さあ、恥ずかしがってはいけません、
ディピュ!ディピュ!!!
もっともっと!
ディピュ!ディピュ!ディピュ!!!
ほらほらっ!
ディピュ!
ディピュ!
ディピュ!!!
あー、なんかわかんないけどすっきりした*2。
おまけですが、この表現は、「君は正しくない」からの「それ以上さ!」とくるのでラインの会話なんかでも大変効果的です。実際に使ってみます↓*3
「いやいや」「言ってることわからないから」
ー「?」
「それ以上さ!!!!!」
ー「ああああああああああああああああああああピュピュピュピュうううううう」
ああ...すっきりするねコレ。