本当に申し訳ない。
皆様には申し訳ないのだが、イタリア語で「じゃがいも(patata:パタータ)」は下ネタである。
誤って済むならそれでいいが、きっと皆様の中には、もうイタリア人に「じゃがいも」と言って恥をかいてしまった人がいるのではなかろうか。もっと早くお伝えするべきだった。誠に申し訳ない。
とにかく、お伝えしておこう。
じゃがいも(パタータ)は「女性器」を意味する。
どうせ知る人ぞ知る隠語だろう、だから大丈夫だ、と思う方もいるかもしれない。でも残念ながらそんなことはない。イタリア人は皆すべからくその意味を知ってるし、こちらがじゃがいもなどと言えば、「じゃがいも?すまないが下ネタはNG」と言ってくる。
そう、申し訳ないが、じゃがいもは日常に深く根付いた普遍的な下ネタだ。
そんな私もじゃがいもには恥をかかされた。
留学中のある日のことだ。ルームメイトにカレーライスを振舞ってやるという粋でナイスガイなことをしたことがある。
しかし、意気込みはナイスガイでも頭はすっからかんな私は、料理をはじめてから、じゃがいもを買っていなかったことに気づいたのだ。
じゃがいもなしではカレーライスなど到底作れない。
そんな悲嘆にくれる私の目に飛び込んだのは、キッチンの隅で輝く、ルームメイトの大量のじゃがいも🥔
モリモリに盛られた大量のじゃがいも🥔🥔
私は、すぐさまルームメイトに聞いたのである。
「ねえ、じゃがいも持ってるよね?少し使ってもいいかい?」
すると彼は慌ててこう返してきた。
「おほほほっほほほほほほい!もももももってねぇわ!」
何を言ってるのかわからなかった私は、「いやいや、キッチンにあるじゃん、じゃがいも持ってるじゃん」と畳み掛けた。
そのたびに「もももってないわ」と焦るルームメイト。輝くジャガイモ🥔✨
皆様もこんな恥をかいてしまったかもしれない。だからもう一度言わせていただきたい。申し訳ないが、イタリア語でじゃがいもは下ネタだ。
思わぬイタリア語の罠。皆様にはぜひ気をつけていただきたい。
sarsiccia(サルシッチャ:ソーセージ)、zucchinina(ズッキーナ:ズッキーニ)も下ネタと言われるが、じゃがいもはどこからやってきたのだろうか。美味しいイタリアンのコース料理を頼んでいたら、突然に精進豆腐を持ってこられたかのような衝撃。
どうしてじゃがいもが女性器なのか。ちょこちょこっと調べてみたりしたが、理由はよくわからなかった。きっと私のような小市民にはわからない崇高な事情があるに違いない。
ちなみに言うと、あの香りのよい美しいスイートピー(pisello odoroso)も下ネタらしい。
piselloは「お豆」で、odorosoは「芳香を放つ、かぐわしい、匂いの良い」という意味である*1。
つまり、pisello odorosoは「芳香を放ちかぐわしく匂いの良いお豆さん」ということになる。どうしてこれが下ネタになるのだろうか。
...私にはさっぱりわからない。
トランペットやラッパを意味するtromba(トロンバ)も下ネタである。「売春婦」を意味するらしい*2*3。
また、castagna(カスターニャ:栗)やpurugna(プルーニャ:プルーン)も女性器を意味するようだ。つまりこの辺も下ネタ。
もうちんぷんかんぷんである。
つまり、まとめるとこうだ。
優雅にイタリア語を話していたと思っていたら、いつのまにか下ネタを言っていたんだ。
イタリア語は下ネタのトラップだらけである。皆様にはこの事実をもっと早く伝えるべきだった。本当に申し訳ない。私には謝ることしかできない。
しかし、冒頭から最後まで謝り続けてしまったことで、こいつは本当に謝ってないんじゃないかと思われたかもしれない。
そんなことはない。本当に申し訳ないと思っている。
最後にもう一度重ね重ねお詫び申しあげたい。
皆様、この度はかような記事を書いてしまい、
本当に
本当に
本当に参考になりますね。これからも続けます
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